日本インターネットドメイン名協議会による「選定基準(案)」に対する意見書

意見書
平成22年3月19日

日本インターネットドメイン名協議会事務局 御中

郵便番号101-0065
(ふりがな)
住所
とうきょうとちよだくにしかんだ3-8-1
東京都千代田区西神田3-8-1
ちよだふぁーすとびるひがしかん13F JPRSない
千代田ファーストビル東館13F JPRS内
(ふりがな)
氏名
JPRSゆーざーかいりじかい
JPRSユーザー会理事会
だいひょう すずきこういち
代表 鈴木幸一
電子メールアドレスsecretariat@jprs-users.jp

「選定基準(案)」に関し、別紙のとおり意見を提出します。


別紙1

要旨

ページ:
項目 :
【日本インターネットドメイン名協議会案】
【意見】

JPRSユーザー会は、2009年12月21日に、JPRS(株式会社日本レジストリサービス)の指定事業者として立場を共有する事業者が集い、日本のドメイン名事業とドメイン名市場を健全な方向へ発展させていくことを目的として設立した団体です。

JPRSユーザー会は、新たなccTLDである「.日本」について、その導入と登録管理組織の選定にあたっては、インターネット利用者が混乱しないことを最も重視すべきと考えています。この視点から、「.日本」の登録管理事業者に求められることは、ドメイン名の登録者、そしてインターネット利用者に対して、安心、かつ安定したサービスが継続的に提供できることであると考えます。

この度公表された「選定基準(案)」については、全体としてこの考え方に沿うものであり、その検討に関わった方々に敬意を表します。

なお、今後のスケジュールの決定や、実際に登録管理組織の募集を行う際の公募要領の策定にあたっても、意見募集などの十分なパブリックレビューを行い、応募の評価・選定にあたってもそれぞれの項目がどのような判断基準でどう評価されたのかという結果を明らかにするなど、透明かつ混乱のないプロセスで進めていただけるよう、強く要望いたします。

ページ:1
項目 :1) 技術的能力

【日本インターネットドメイン名協議会案】
(「1) 技術的能力」全体)

【意見】

「.日本」の登録管理事業者に求められることは、ドメイン名の登録者、そしてインターネット利用者に対して、安心、かつ安定したサービスが継続的に提供できることであると考えます。

中でも特に、ドメイン名をインターネット上で利用可能にするための仕組みであるDNSが高い品質で運用されることが求められます。
「.jp」については、「これまでの安定的な業務運営も相まって、他の一般的なTLDに比べ、利用者、ドメイン登録者からの高い信頼が寄せられている(情報通信審議会答申より)」状態にあります。同じ日本をあらわすccTLDとなる「.日本」においても、その登録管理組織は、この「.jp」と同程度もしくはそれ以上の品質でDNSの運用を行うことができる高い技術的能力を有しているべきと考えます。

「選定基準(案)」には、ccTLDの登録管理組織として必要な基本的な基準項目が網羅されており、高く評価できます。登録管理組織はこれらの基準項目をすべて高い水準で満たすことが求められるため、基準項目と必須項目は増やすことはあっても、減らすべきではないと考えます。

ページ:2
項目 :3) 事業計画 08,10,12,14

【日本インターネットドメイン名協議会案】

【意見】

「.日本」は、「.jp」と意味的にも、またccTLD という位置づけ的にもまったく同じものであり、このことは、「.日本」の導入の方法次第では、インターネット利用者やドメイン名登録者に大きな混乱を招くとともに、負担を強いることにもなります。

この意味からJPRSユーザー会では、「.日本」と「.jp」の関係については登録管理組織の選定後に登録管理組織が検討するのではなく、登録管理組織の選定基準にあらかじめ入れられるべきものであると考えており、これに関する項目が「選定基準(案)」に盛り込まれたことは評価できます。

さらに、これがインターネット利用者を混乱させないという視点からしっかりと評価できるようになっていることが必要であり、以下の4つの項目を必須項目とすべきと考えます。

ページ:3
項目 :注2

【日本インターネットドメイン名協議会案】

配点については、(1)【1(技術的能力)】 (2)【2(経営基盤)、3(事業計画)】 (3)【4(事業運営の公正性・透明性)、5(コンプライアンス体制)、6(ドメイン登録者等外部からの苦情・問合せ、紛争などへの対応、情報セキュリティの管理体制)、7(国際的な役割の遂行)、8(国内のインターネットの発展への貢献)】の3分野をほぼ同等のウェイトで評価する予定。

【意見】

「1(技術的能力)」の配点のウェイトが全体の3分の1とされていますが、登録管理組織の選定において技術的能力の評価は非常に重要な部分です。

TLDのDNSに障害が発生すれば、そこに登録されているドメイン名すべてに影響し、インターネットに大きな混乱を及ぼすことになります。インターネットが社会を支える仕組みの一部となりその存在感を増しつつある現在、TLDのDNSは、24時間365日運用が停止してはならない重要なシステムであり、またそのセキュリティの高さも重要です。これを運用するためには高い技術力と十分な体制が必要です。

このため、「1(技術的能力)」の配点のウェイトはさらに大きくすべきと考えます。

以上


別紙2

JPRSユーザー会 理事一覧

会長鈴木 幸一株式会社インターネットイニシアティブ
代表取締役社長
理事飯塚 久夫NEC ビッグローブ株式会社
代表取締役執行役員社長
理事石田 慶樹日本インターネットエクスチェンジ株式会社
代表取締役社長
理事今村 隆ニフティ株式会社
代表取締役社長
理事丸山 治昭株式会社ASJ
代表取締役会長兼社長
理事和才 博美エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
代表取締役社長

以上