JPRS(株式会社日本レジストリサービス)の指定事業者による連携組織「JPRSユーザー会」(会長:鈴木幸一 株式会社インターネットイニシアティブ 代表取締役社長)は、現在導入に関する議論が行われている、日本を表すドメイン名「.日本」について、インターネット利用者が混乱しないことが最重要課題と捉え、以下のとおり意見を表明します。
ドメイン名は、ホームページアドレス(URL)や電子メールアドレスなどで用いられるものですが、その最上位階層(ピリオドで区切られた一番右側の部分)であるTLDの管理を行っている国際団体「ICANN」が、世界の国や地域ごとに割り当てられているカントリーコード・トップレベルドメイン(ccTLD)に各国言語の文字を利用できるようにする方針を決定しています。これは、日本においてはJPRSが管理を行っているccTLD「.jp」に加えて、新たに「.日本」というccTLDを利用できるようにするものです。既に2008年11月から総務省の情報通信審議会の下部組織であるインターネット基盤委員会で議論が行われ、2009年7月には情報通信審議会の答申として、「.日本」導入方法などに関する方針がまとめられています。
ICANNによる新しいTLDの導入は、これまでも幾度か行われてきましたが、今回のccTLD「.日本」の導入により、既存のccTLDである「.jp」と「.日本」が共存することになるため、その導入方法次第ではインターネット利用者やドメイン名登録者に大きな混乱と負担を与えることになると考えられます。
JPRSユーザー会は、「.日本」導入において最も重視すべきことは、その導入と将来にわたっての利用が、利用者・登録者の混乱なく行われることと考えます。そのためには「.日本」は、同じく日本を表す既存のccTLDである「.jp」と同程度の安全性と安定性が実現されるべきであり、さらに「.日本」をまったく新たなドメイン名として導入するのではなく、同じく日本を表す既存のccTLDである「.jp」と登録者を完全に一致させる形で関連付けて導入すべきであると、強く意見を表明するものです。
JPRSユーザー会は今後も、日本のドメイン名事業とドメイン名市場の健全な発展のために、意見表明などの各種活動を行ってまいります。
*参考資料
JPRSユーザー会の2010年2月4日付公開文書
「『.日本』の導入に関する意見書」
http://jprs-users.jp/doc/20100204.html
2009年12月21日設立。JPRSの指定事業者が連携し、日本のドメイン名事業とドメイン名市場を健全な方向に発展させることを目的として活動。会長は鈴木幸一 株式会社インターネットイニシアティブ 代表取締役社長。会員数は117(2010年2月3日現在)。
■JPRS(株式会社日本レジストリサービス)2000年12月26日設立。JPドメイン名の登録・管理、及びドメインネームシステム(DNS)の運用を行う登録管理組織(レジストリ)。